理事長からのご挨拶
理事長 天ヶ瀬晴信
この度、伝統ある一般社団法人国際栄養食品協会(AIFN: The General Incorporated Association of International Foods & Nutrition)の理事長に就任いたしました。大変光栄なことと身の引き締まる思いでおります。
時を同じくして、機能性表示食品制度が4月1日に始まり、日本の健康食品の市場が一段と飛躍する機会が開けたと感じています。個人的なことで恐縮ですが、私は、2013年6月に帰国するまで、約23年間米国に滞在して、ダイエタリーサプリメントの研究開発や登録申請・品質管理、それに学術活動や業界活動などを行って参りました。この間、米国のサプリメントに関する法規制が整備され、1994年のダイエタリーサプリメント健康教育法を初め種々の法律に対応した企業活動を行ってきました。これまでの20年間に米国のサプリメント市場は約4倍近くに拡大しています。この過程では、体の構造や機能に与える機能をラベル表示でき、企業の宣伝広告のみでなく、各種メディアの報道を通じて、その機能の啓発を図ることとなり、消費者の製品選択に寄与するところが大でした。また、市場拡大に伴い、原料や製品の改良や進歩も同時に進行し、消費者がより良い効果を得られる製品が増え、健康増進に役立っていると思います。また、米国の輸出産業の一角を担っており、世界各国にも影響を与えています。また、その開かれた市場原理で、世界中から原料や製品が集まって活況を呈しています。こういった活況を是非具現化し、日本市場もさらに拡大することが出来れば、これはとりもなおさず、消費者に対して利益を与えることとなるでしょう。米国では、サプリメントの摂取によっていろいろな疾患の医療費の大幅な削減につながる可能性があるという試算結果も出ています。
今回の日本の機能性表示食品制度は、この米国のサプリメント制度を参考に制定されました。国情や制度の違いから全く同じ制度というわけにはいきませんが、行政も米国制度を十分に研究して、その評価を元に制度設計したと思います。ただ、時間的な制約の中で、十分に議論が尽くされず積み残しになっている案件もあります。今後見直しを含めて引き続き検討されることになっていますので、当協会も、健康食品産業協議会の一員として、また、他の団体とも協力して活動することで、さらにより良い制度を目指して、働きかけていきたいと考えています。この中には、Good Manufacturing Practice (GMP)などを含む製造品質管理の基準作りを認証制度協議会などの機関を通じて積極的に広めていく活動も含まれており、海外の制度を参考に活動していく予定です。そのためにも、会員の皆様の多大なご協力とご支援をいただいて、是非とも今後の協会の発展と国民の健康に貢献したいと思います。
健康食品の情報提供や正しい理解を進めることで、消費者の理解が進み、健康増進に寄与し、ひいては、医療費の削減や健康寿命の延伸に貢献できれば、業界としても大いに意義深いものとなると考えています。
以上簡単ですが、就任に際し、ご挨拶まで申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
理事長 天ケ瀬晴信